2013年10月4日金曜日

故郷富山に戻って1年……なぜ仕事が続かないか - ⑸

30年ぶりに富山に戻ってきて就活し、何とか地元の眼鏡店に決まった。

それはちょうど昨年の10月の事……。

20数年勤めた東京の眼鏡店を辞めてから、実に1年4ヶ月ぶり……。

新しい仕事に従事することになり改めて、東京の眼鏡店が実はものすごく良い会社であった、という事に気づいた。それは働く社員にとってもそうだし……顧客にしてもそうじゃないかと思う。以下は東京の眼鏡店の利点というか、特徴である。

1、メガネ専門店であること……つまり、それ以外に時計だとか、宝石だとか扱ってない。

2、分業体勢である事……店舗で販売、接客をするものと、本社、工場で発注、加工するものとが別れている事。

3、社訓「売上を競うよりサービスを競え」「お客様に損をさせるな」を言葉通り実行出来た。

4、東京という、競合地域でライバル会社を意識していた。

5、新人教育が、しっかりされていて、無茶ぶりすることなく、安心して仕事ができた。


取りあえず以上の5点を、比較しながら見ていくと……

1、メガネ以外に、補聴器、時計、ステッキ、それに店舗にあるほとんどのものが売り物だった。販売カウンターの上にある卓上ミラー、販売時にカウンターに敷く和紙、これも売っている。無料サービスのコーヒー、昆布茶、お茶も販売用として余分にストックされている。

2、レンズの加工を店舗で行う。加工機がカウンター内にあり、時に騒音、異臭をまき散らし、レンズを削った粉が、側にあるコンピューター等精密機械に影響しないか、何より人体に影響ないのか心配である。

3、この社訓は、人によって解釈が異なったり、建前だと突っぱねたりする社員も大勢居たような気がする。これは最近どこのサービス業に行っても、自社の売り上げばかりを気にして、顧客に無理を押し付ける傾向が見られて嘆かわしく思う。例えばAという商品とBという商品があったとする。性能的な差はないものとする。Aの方がもし値段が高いなら、Bを勧めるのが、社訓に乗っ取ったやり方だ。ところが、Bの存在さえ否定してAを販売する姑息さはいったいなんだろう。Bを説明しつつ、何とかAの魅力を説いて販売するならまだしも……扱っていて、説明しないとは……?(ただし、これは自身にも経験があるので偉そうな事は言えない。ただし理想は、必ずBは説明することだ)

4、東京という競合社会は、へまをして顧客を逃すと他所へ行ってしまうので、顧客満足という意識をしっかり持っていた。比較しやすい環境の中で、価格であるとか、接客態度であるとか、自然に磨かれていく部分もあった。しかしながら地元で一人勝ちのような会社であったが、顧客へのサービスという点で優れている所もあった。ただしそれはあくまでも人によるものなので、店舗にばらつきがあるのは仕方がないかもしれない。

5、今回私は、50代ながら新人という事で、頭を下げて教えを請うという立場に徹するつもりだった。最初の1ヶ月は気合いが入っていたから問題はなかったが、段々やり方に疑問を覚えるようになった。会社の体質に問題を感じ始めていた。

最初は目新しい部分が輝いて見えていたのだけれど、ブラックな体質が見えてくるととたんに醜く感じられるようになった。飲み込まれないうちに辞めたいと思い始めたのは、12月に入った頃だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿