2011年11月6日日曜日

東京百景8「南部線、分倍河原駅」

第8回「南部線、分倍河原駅」

 ここは京王線とJR南部線の乗り換え駅だ。1987年入社した会社は、毎日本社に売上金を持参するという前時代的な会社だった。そのころはまだ新米で京王線の府中駅の支店に配属させられていたが、週に2回は、店長が休みのために本社帰りをした。

 本社は、大田区の蒲田にあったので、分倍河原から南部線、川崎から京浜東北線に乗り換えて帰った。それで住まいは杉並の方南町だ。本社帰りをすると自宅に着くのは10時くらいだった。だから店長クラスだと、社宅や蒲田近辺で暮らす人が多かった。

 店長は金曜休みだったので、木曜は店長と一緒に本社に帰る。そこで引き継ぎをして、翌日は店長代行と本社に帰る。後に店長を目指そうという身には、それも経験なのである。

 さて、この代行の人は大恩人でもある。なかなか行動派だ。分倍河原の乗り換え時間は10分!その間に「食うぞ!」と言って立ち食いでそばをいただくのだ。急いで食べて、急いで階段を下りる。ちょうど電車がやってくる、とまあそんな感じだ。

 ちなみに店長も大恩人である。この方は、武闘派である。京王線府中駅から、府中本町まで歩いて、直接南部線に乗る。もう時効だから良いと思うが、店前に植樹してあった木の枝が看板に被るというので、閉店後暗くなって3人掛かりで、直系5センチ、長さ2メートルほどの枝を切った。物を売るにはそこまでするんだ、ということを学んだ。

 でも、やっぱりそれは、どうだろう?今となっては心が痛む……。

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