2011年11月10日木曜日

坂道の記憶

坂道の記憶
2008年作
階段を登れば見えてくる丘の上の
夢幻という名前の木造アパート
思い出を語らう友の声が聞こえてきて
明け方の始発で海に行こう

あの頃は坂道下ってるなんて
思いもしなかった
やがてくるその時をこの手にするのなら
傷つきはしない踊り疲れても

階段を登れば木々の中異彩放つ
懐かしい思い出詰まったアパート
さよならも言えないで
気まぐれにまかせたまま
もう2度と戻れない旅が始まる

あの頃も坂道下ってるなんて
思いもしなかった
やがてくるその時を夢に描きながら
ストレス飲み込む夜更けの盛り場で

坂道を上るイメージで
いつも仕事をこなしてきた
知識を身につけ、要領もつかみ、
力もついてきた
ライバルは消えて一人
マイペースで優々生きてきた
思えばそれこそ坂の頂上に
向かっていたと気づく

今日はなぜ坂道下ってるように感じてるんだろう
もう来ないその時は思い出の中に捨てて
痛みを感じる暗く淀んだ部屋で
 坂道を登って丘の上に見えるは、19歳に住みはじめたアパートである。この頃の事は星空文庫の『TOKYO EARLY 3 YEARS −1981年−』に詳しい。
 小田急線の百合が丘から読売ランドの間にあって、住所だと高石だった。住みはじめた頃、多摩区が分れて麻生区が誕生する。その頃新百合が丘という駅は、駅以外に何もない寂しい所だった。山間部なので坂道はいたるところに存在する。このアパートは見晴らしが良かったので、バンドの仲間が時々泊まりにくる事もあった。当時は新宿や下北沢で騒ぐ事が多かったから、終電でここに来るような感じだった。
 さて坂道はもちろん人生でどこが頂上かは知らないが、取りあえずそこまで登ろうというわけだ。だがその頂上には気づかず、いつの間にか坂を下っているとしたら……もう、登る事はないのだろうか?
これは 星空文庫TOKYO EARLY 3 YEARS −1982年− を参照いただければと思います。まあ、かいつまんで言うとアマチュアロックバンドの名前です。

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